豊洲市場問題から考えるお台場の「安全」と「安心」


豊洲市場の問題として、
安全と安心ということが話題になっている。

いろいろ上がって来ている情報から、
築地と豊洲を比較した場合、
豊洲の方が「安全」であることは周知の事実と言っていいだろう。

ところが、より安全に建物を作るための地下ピットなのに、
盛り土がされていないとか、
地下水を飲料水としての基準で調査し、
基準値を超えているとの過剰な反応のため、
「安心」と思われていないということだ。

お台場に住んでいると、同じようなテーマの話をよく聞く。
なぜそんな危険な所に住むのかと。
埋立地に住んで大丈夫か?。

そういう話を聞く度に、ああ、豊洲市場と同じだな、と。

危険だったら家族で住むわけがない。
住む前に、津波、液状化などについてきちんと調べている。
その結果を紹介しよう。


■津波

結論からいうと、台場地区の東京湾は津波の心配は2~3m程。
道路は全て海抜5m以上のところに作られているのだが、
「福島は『想定外』が来たじゃないか!」と言われることも多い。

こちらの週刊ポストの記事では海抜0m地帯と書かれているが、
きちんと取材されていないんだろうなぁと。

東京湾については、まず水深が浅く、
水の総量は琵琶湖の半分ほどしかない。
なので、湾内が震源での大きな津波はあり得ない。

外からの流入にしても、
外洋に面している箇所が少なく、入口が狭いため、
湾の奥の方にはほぼ被害が出ないことが、
シュミレーションの結果として出ている。

詳しくは東京都防災ホームページの地震被害想定などを参照して欲しい。

これだけ示しても「想定外」について執拗に言う人もいるが、
そもそも外洋に面している地域とは違うのだ。

■液状化

液状化についてはリスクはある。
港区のハザードマップでは、台場地域は液状化のリスクは大きい。

ところが、東京都都市整備局の地震に関する地域危険度測定調査では台場地域の地盤は、都内有数の安全度となっている。

これはどういうことだろうか?

高層マンションなどを建設する場合、
地下の支持層までに杭を打つ。
その支持層がどうなっているかが重要だ。

津波の件でも書いたように、
そもそも東京湾は水深が浅いので、
埋め立てていないであろう海底の地盤まで杭を打っている。

お台場の地盤については、東京都建設局の地盤データの中の、
東側断面図19番のデータがある。
パッと見ただけではわからないかと思うが、
こちらのブログ(公的機関のものではないが)で詳しく解説されている。支持層は強い地盤で、建物倒壊のリスクは低いことがわかるだろう。

■過疎化

ちょっとテーマがずれるけど、最近は現代ビジネスからこんな記事が。

「お台場の超高層マンション群の多くは分譲ですから」とあるけれども、
実際には分譲マンションはタワーズ台場の2棟しかない。
残りはUR、JKK(都民住宅)、都営住宅で賃貸がメインだ。

人口ピラミッドについては港区のサイトで公開されているが、
お台場の人口ピラミッドはどこに公開されているんだろう?
分譲マンションが2棟しかないことさえわかっていない記事だから、
おそらくきちんと裏を取っていないんだろうと思う。

居住人口については台場地域のデータが東京都港湾局のサイトで公開されていて、
これによると増加傾向なんだけどな。


ただ、こういうデータを出したところで、
「安心」をしない人達がいて、
説明をしようとしても主観的な感情論ばかりで話が通じない。

子供の頃、「何のために勉強するの?」とか、
「今勉強していることが将来役に立つわけがない」という質問に、
まともに答えてくれた大人に会うことはなかったけれど、
今なら自信を持って、なぜ勉強が必要か説明できそうだ。

ポジショントークや感情論に流されることなく、
客観的なデータを用いて合理的な判断をすること。
そのために勉強は必要だよと。

石原元都知事が言うように、
科学は風評に負けちゃいけない。

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