お台場海浜公園で泳げる日は来るか?
オリンピック真っ最中、楽しんでいますか?
汚いと言われ続ける東京湾。
東京オリンピックのトライアスロンが開催されるとのことだが大丈夫だろうか?
お台場で安心して泳げる日は来るのか、その可能性を調べてみた。
「汚くて泳ぐなんて考えられない」というのが多くの人の意見かと思うが、
そもそも海水浴が出来る基準というのはどういうものだろうか?
環境庁のサイトによると、水浴場水質判定基準という基準が設けられていることがわかる。
- ふん便性大腸菌群数
- 油膜の有無
- COD(化学的酸素要求量、Chemical Oxygen Demand)
- 透明度
の4つについて判定をするそうだ。
そしてお台場海浜公園の数値については港区が公開している。
「水際」が海水浴場の基準についての調査で、「海域」が水質汚濁に係る基準だ。
ふん便性大腸菌群数が多くて水質基準を満たさない、
と言われ続けてきているのだが、
ざっと見た感じでは想像程悪くない気がする。
そこでもう少し踏み込んで調べてみた。
東京都環境公社の調査結果や、海岸工学論文集に掲載されている論文によると、
雨天時の下水の放流により、ふん便性大腸菌群数が急増していることが推測されており、
晴れの日が続くとふん便性大腸菌群数が下がっていくようだ。
上述の港区が公開している調査データについては、その前の天候の推移により数値が変動しそうなので、
定期観測というよりも、日々の数値の推移と天候の相関関係がわかる状態で出して欲しいところだ。
原因が雨天時の下水の放流だとすると、
それをなくせば水質が改善するということになる。
次に調べるべきは下水の放流についてだ。
通常、下水は水再生センターで処理をされて、
浄化して綺麗にしてから放流される。
お台場に近い芝浦水再生センターでは放流水の水質基準などが公開されている。
…ところが、これは「処理をされて放流された」水についてのデータだ。
降雨時に水再生センターでの処理が追いつかなくなると、
処理されていない下水をそのまま東京湾に放流している。
国土交通省のサイトでもこの問題について取り上げられている。
ここで書かれている「合流式下水道」とは何かというと、
京都市のサイトで分かりやすく解説されているように、
家庭などの排水と、雨水を一つの下水道で処理していることだ。
このため、雨天時に下水道を流れる水の量が大量になり、
水再生センターで処理できない量の水が流れ込むため、
浄化されていない水をそのまま緊急放水している。
それが東京湾の水質悪化につながっているわけだ。
…ここまでわかっていて何もしていないのか?
というと、少しずつだが対策が進められている。
まず東京都下水道局では対策を公開している。
また、港区の区議会議員の方のサイト(僕はこの方のこと詳しく存じ上げないが)に、
芝浦水再生センターの処理能力強化(一時的に処理できない水を貯める施設の建設)について書かれている。
このような対策が進めば、必ず水質は改善していくことだろう。
東京湾、泳げるようになるといいなぁ。